そこそこ好きな作家

めっちゃ好き!ってわけではないけど単行本が文庫化したら必ず買う作家、それは米澤穂信です。面白いことは面白いんだけどトリックをちゃんと理解できた感じがいつもしない…。ので何度も何度も読んでるうちに段々好きになった。今は7番目ぐらいに好きです。
あと、多くの作品に共通するほろ苦いでは到底済まされないラストがいいですよね!思春期の苦さもいいけど大人の苦さももっと読んでみたいな。
合う作品合わない作品色々あるけど、以下に好きな作品を羅列してみます。

「犬はどこだ」
米澤作品にしては珍しいハードボイルドテイスト。所長の淡々とした何もかも諦めてる感じのキャラが好き。チャット部分が読んでて楽しかった。米澤穂信って流し読みしてると理解できない部分があるじゃないですか。それが存分に発揮されてる作品のような気がします。お願いだからシリーズ化してくだせぇ…!

「本と鍵の季節」
二人が置かれている環境の閉塞感や不穏さがとても良い。普通男子高校生はこんな大人びた会話しないだろ、とは思うけど二人の関係がとにかく最高なのでもう何も言いません。個人的に好きなシーンは、「図書館の自由に関する宣言」を綺麗事だと分かった上で今だけは守ろうとする場面ですね。本当好き…辛い…。あと、主人公は小鳩くんと同じ匂いを感じる。謎解きがとても好きなんだね。

「夏期限定トロピカルパフェ事件」
米澤さんって自信満々でナルシストで焦らし屋で目立ちたがりな探偵は嫌いなんじゃないかな。私も探偵役が「まだ仮説の段階なので推理を披露することはできない…」とか言ってるとイラッとくる。
主人公の小鳩くんはそうならないよう小市民を目標に掲げているけど、我慢しきれず漏れ出てるところが可愛い。それと小山内さんは太刀洗万智とどこか通じるものがあるような…真の探偵役というか…分かんないけど。二人ともとても好きなキャラです。あと最後の展開が大好きです。

「さよなら妖精」
読み終えてからユーゴスラビアをwikipediaで調べてしまった。私守屋くんと同じような行動してる…!でもこの行動は当事者にしたらたまったもんじゃないだろうな。好奇心や興味本位でしてる行動だしな…。
好きな場面はいくつかあるけど、宴会シーンと図書館の場面とラストの部分は特に好き。太刀洗さん辛辣…!そしてなんて損な役回り…!でもそんなとこが好きです。

「王とサーカス」
「さよなら妖精」でセンドーとして活躍した太刀洗万智が記者となって登場する「王とサーカス」。自分の娯楽のためにニュースは見てないつもりだったけど、どこかで楽しんでいる自分もいるなと気づかされた。知りたいと思うことは野次馬根性に繋がるけど、知りたくないと思うよりはよっぽどマシだと思う。
完全に余談なんだけど、太刀洗万智の見た目や雰囲気は何回か会っただけの顔見知りに似てる(気がする)。だから記者太刀洗シリーズを読むときはいつもその人を思い浮かべながら読んでしまう。でも本人には言えないなぁ。

あと去年ドラマ化されてた「満願」もいいですよね~、特に柘榴が忘れられない。エグい。あと「リカーシブル」も好き。段々と絶望的な状態に追い込まれていく様子や、町の不穏な雰囲気がすごく良い。主人公の行く末が一番気になる作品。「リカーシブル」とよくごっちゃになるのが「ボトルネック」。これも行く末が気になる作品だけど、個人的には悪い想像しかできないな。

ここまで好きな米澤穂信作品を適当に挙げてみたけど、正直こんなにあるとは思わなかった。私結構米澤穂信のこと好きなんだな。文庫で出てるやつは大体読んでるしな。これからもなんやかんや言って読み続けると思います。単行本では買わないけど。

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ヒッピーとパツキン

好きな本屋と一箱古本市とその他諸々について好き勝手書いてます。